【質問と解答】
Q:現在担当さんに付いて頂いている漫画家志望者です。漫画を本格的に描き初めて一年半。ストーリーの作り方、キャラの立て方、理屈は理解できます。けれどコツがつかめないんです。自分の好きなように描いていたときとは違い、物語や読者を意識すればするほど描けなくなってしまいました。面白いってなんなのか? 自分の持ち味、テーマってなんなのか? こんな調子で担当さんにも3か月ほど連絡できておりません。連載を目指すなら掲載レベルのものをコンスタントに生み出す力が必要だと思います。このコンスタントに生み出す力というのは技術ですか? 努力ですか? 才能ですか?
A:ストーリーの作り方やキャラの立て方のコツ、面白いって何なのか、自分の持ち味は──その答えは自分の中にあるもので。技術であれば学ぶことはできますが、それらは自分自身で見つけていかなければならないものです。なぜならば、それは個人個人で異なり、人から教わるものではない、作品のオリジナリティーの根幹にあるものですから。もちろん、一人で頭を抱えてうんうんと唸ったところでわかるものではありません。自分にとっての「面白い」は何か、自分は何を目指して漫画を描こうと思ったのか? そうしたことは、多くの場合、初心を思い出すことで見出すことができます。また、ストーリーやキャラをどう作るか、自分の持ち味やテーマといったことは、担当さんとのキャッチボールの中で探り出しましょう。あなたの作品の魅力を一番理解しているのは担当編集です。その方に悩みや疑問をぶつけて対話することによって、自分自身のそれらを見出していきましょう。そして、連載のクオリティーを維持するのは、そうして得た自分の「面白い」と持ち味への信頼と、技術と経験と知識の積み重ねによる自信です。